シャドーイングの正しい始め方

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シャドーイングの正しい始め方

英語の発音やリスニング力を高める方法のひとつに「シャドーイング」という学習法があります。
これは、聞こえてきた英語の音声をほぼ同時に声に出してまねをするトレーニングで、耳と口の両方を使って英語のリズムを身につけることができる学習法です。
一見シンプルに見えますが、正しいやり方を知らないまま取り組むと、効果が出にくく途中で挫折してしまうこともあります。
ここでは、初心者でも実践しやすい正しい始め方を紹介します。

シャドーイングの目的と効果

シャドーイングの目的は、英語の「音の流れ」を自然に体で覚えることにあります。
単語ごとに切って発音するのではなく、文全体をひとつのまとまりとして話すことで、リスニング力とスピーキング力の両方を同時に鍛えることができます。

さらに、英語特有のイントネーションやリズム、発音の強弱を身につけることができるため、「聞き取れても話せない」という状態から抜け出すことができるのです。
実際に通訳者や英語講師の多くがこのトレーニングを取り入れており、その効果は非常に高いといえます。

よくある間違いと注意点

初心者が最初に失敗しやすいのは、難しい教材を選んでしまうことです。
スピードが速すぎるニュース番組や、映画のセリフのような音声を使うと、内容を理解できずに「ただ声を出しているだけ」になってしまいます。

また、スクリプト(台本)を見ながら声に出してしまうのも避けた方が良いでしょう。
文字を追いながら発声すると、耳を使って英語を捉える練習にならず、聞き取り力が伸びにくくなります。
正しい順番は、音声を聞いて意味を理解 → スクリプトで確認 → 音声だけで練習、この3ステップです。

正しい進め方のステップ

初心者が始める際は、1日10分程度からで十分です。
以下の手順で少しずつ慣れていきましょう。

  • 1. 教材を選ぶ
    短くて内容がわかりやすいものを選びましょう。TED Talks や BBC Learning English などが特におすすめです。
  • 2. 内容を理解する
    まずはスクリプトを読み、知らない単語や表現を調べます。意味がわからないまま練習しても効果は上がりません。
  • 3. 音声を繰り返し聞く
    何度か聞いて、英語のリズムや抑揚をつかみましょう。
  • 4. ゆっくりまねる
    最初はスピードを落とした音声で、口の動きを意識しながら発音します。
  • 5. 自然な速さで挑戦する
    慣れてきたら通常スピードで練習します。最初は追いつかなくても大丈夫です。
  • 6. 録音して確認する
    自分の声を録音し、元の音声と聞き比べてみましょう。発音の違いやリズムのずれを確認できます。

この流れを繰り返すことで、少しずつ耳と口が英語に慣れていきます。

継続のコツ

シャドーイングは継続することで効果が表れます。
大切なのは「完璧を目指さない」ことです。
最初からすべての音を再現しようとせず、イントネーションやリズムをまねることに集中しましょう。

また、朝の5分や通勤中など、自分の生活リズムの中に学習時間を組み込むのもおすすめです。
録音した声を週に一度聞き返すと、自分の成長を実感でき、モチベーションも保ちやすくなります。
お気に入りの映画や音楽を教材にすると、楽しみながら続けられるでしょう。

シャドーイングは、英語を「聞く」から「使う」へと進化させる練習法です。
正しい手順で行い、無理のないペースで続けることで、発音・リズム・リスニング力が自然に身につきます。
今日からはただ英語を聞くだけでなく、「まねして声に出す」習慣を取り入れてみてください。